残り物には福がある?!

先日、auショップへ行きました。今年(2015年)5月に機種変更したiPhone6を操作していたところ、いきなり「SIMエラー」が表示されたからです。いつも通りネット検索しようとしたところ、LTE回線につながらなくなりました。wi-fiは問題なかったので、ネットのみであれば、いつもと変わりませんでした。けれども、Cメールを頻繁に使うので、どうしようか困ってしまいました。色々試し、最後の手段としてリセットしようとしたところ、途中で「SIMエラー」が出てしまい、最後までできませんでした。これは本当にカードがダメだ、と思い、auショップに連絡し、交換することになりました。

 

作業は実にあっさりでした。店員がカードを交換し、リセットを始めました。けれども、前日iTunesにバックアップしていたので、auのアンテナ受信を確認後、リセット途中のまま帰宅することにしました。店舗は、今の住まいから歩いて20分程度のところにあります。埼大通りと言えば、もしかしたらお分かりになる人もいるかもしれません。さらに言えば、ヤマダ電機店の近くであり、大学が近いながらも、高田馬場やお茶の水のような学生街とは、完全には言えないでしょう。

 

ともあれ、auショップを出て、埼大通りを新大宮バイパス方面へ向かいました。土曜日の夕方とはいえ、車が往来しながらも、歩行者はあまりいませんでした。久しぶりにうちの柴から解放され、少し身軽な感じがしました。けれども、犬の飼い主であり、いつも一緒に暮らしているからでしょう、自然と歩道沿いのガラス戸の向こうに目が行きました。

 

そこは、ペットサロンのようでしたが、犬も販売していました。つい立ち止まり、柴はいないか?、と探しましたが、見かけませんでした。正直、洋モノばかりか、と思いましたが、柴でないならコーギーがいい、と思っているので、排他的な性格ではないことを念のために申し上げておきます(笑)。少し話が逸れてしまいましたが、柴がいないのを確認し、そのまま立ち去ろうとしました。しかし、驚いてしまったことがありました。

 

ガラス戸の向こうの犬たちは、おそらく生後3から4ヶ月程度でしょう。あどけない表情をしながら、眠っていたり、おもちゃで遊んでいたり、ペットフードを食べていたりしました。そういう犬たちの姿とともに、一見して分かるような数字の羅列がありました。犬たちは、マルチーズやプ-ドルなどで、今ではどこでも見掛けます。けれども、しがない中年オヤジには、びっくりな数字ばかりでした。

 

490,000、300,000、510,000・・。

 



 

このサイトでも、うちの柴の価格をお話しています。生後半年の売れ残りであり、しかも、地元の老舗ペットショップでもあり、柴犬としても破格の値段でした。上記で綴っている数字とは、一桁違います。少し頑張って働けば、なんとかなる金額でした。しかし、わたしが先でみた数字であれば、少し働けば、というものではありません。おそらく多くの人は、現金ではなく、クレジットカードを使っているのでしょう。あるいは、犬専用のローンもあるのかもしれません。そうは言っても、同じ犬で、さらには、血統種からみれば、柴犬もその中に含まれます。犬における「外資系」は、まだまだ敷居が高いのか?、とも思いました。仮にこれらが全て価格付けの理由に当てはまり、もちろんわたし自身も犬の飼い主ですが、複雑な気持ちになったことは確かです。

 

「柴犬の飼い方」 : 子犬の入手方法

 

そうして、ペットサロンの前から立ち去りましたが、わたしの脳裏に、うちの柴や以前飼っていた犬と散歩している時の姿が浮かんで来ました。マルチーズやプードルなどと会うと、抱きかかえる飼い主がいました。その時は、犬が散歩しているのか、飼い主が散歩しているのかわからない、などと思いました。けれども、先のような数字が掛かったのであれば、うちのような野暮に育てている犬とは触れさせたくないでしょう。あるいは、それだけ掛かっているので、大事にしたくなるのかもしれません。

 

人の犬を見て抱きかかえるなんて失礼な、とも思ったことがありましたが、なんとなく理解できるようにも思いました。しかし、それでも血統種が野良にさせられてしまうこともあり、大変残念なことではありますが、人それぞれの思いがあるのも確かなことです。

 

自宅に戻ると、母からうちの柴が実に大人しくしていたと聞きました。数字の話を母にすると、「ありゃ」などと驚いた顔をしていました。わたしとうちの柴は、古い一軒家の二階で暮らしていますが、階段を上って行き、部屋へ入ると、ハアハア舌を出しながら近づいてきました。年なのか、義務なのか、その両方なのか、ゆっくりした歩調でしたが、しっかりした足取りでした。そうして、少しパソコンで仕事した後、いつものように食事を与え、散歩をし、いつものようにわたしの側で横になりました。

 

子供のようでありながらも、相棒のようでもあり、時に腹立つことをしたり、バカなこともしますが、聞き分けが良い面もあり、大変な時期でも、わたしに黙って従い、そんなこんなで10年以上一緒に暮らしています。

 

残り物には福がある?!

 

もしかしたら、うちの柴が最期を迎えた後、はっきりと理解できるのかもしれません。

 

柴犬ヒロ-08